メニュー

No.7〔『老害』から『老益』へー2026.6.5〕

[2026.06.05]

院長ブログ7〔『老害』から『老益』へ〕

 

今、世界中が「ホルムズ海峡危機」に直面しております。これを、米国の国際法違反によるものであると非難する向きもありますが、「シオニズム国家の殲滅」を国是としているイランが核を持った暁には、国際テロ集団にそれが渡り実際に使用される危険性が十分にあります。このため、必ずしも身勝手な作戦とも言い切れない部分もあると思います。

この石油危機と言っても良い状況の中でも、政府は石油の節約を特には強調しておりません。経済の滞りを心配されているのかも知れませんが、本来は政府に言われるまでもなく国民自ら節約に走るべきではないでしょうか。たとえば、燃費の良い車を優先したり、できるだけ徒歩や公共交通機関を使用したりしてガソリンを節約するとか、プラスチックトレイやペットボトルなどの石油製品のリユースやリサイクルに協力するとか、またそれ以外にも食品ロスの削減やゴミの削減、節電等にも心を配り、石油の依存から少しでも抜け出せるような社会を目指す必要があります。

さて、私もこの8月で69歳となり、すでに高齢者の仲間入りをしており様々な病気が顕在化してきております。高血圧症、高脂血症、緑内障等、以前には想像もできませんでしたが、今では飲み薬や目薬を手放すわけにはいかなくなっています。今は若い人も平均寿命の延長にともない、将来老人として過ごす時間が長くなってくると思います。この長い老人期間をどのように過ごしたら良いのでしょうか?また、どのように老化を受け入れたら、よりよい人生を送ることができるのでしょうか?

そもそも老化とは一体何でしょうか?一言で言えば、「加齢に伴う心身の機能低下」と言えますが、物忘れ、皮膚のしわやしみ、白髪や脱毛、腰痛や膝痛、老眼や難聴といった心や体の変化が現れ、また生活習慣病や悪性疾患にかかりやすくなってきます。原因としては、遺伝子の老化に加えて、長年受け続けてきた紫外線・放射線や体内に取り込んだ化学物質の蓄積が指摘されております。日本は今、超高齢社会を迎え、ますます「老人」と呼ばれる人種が増えていきます。そうした老人の一人として、少しでも社会の負担にならないように心がけていきたいものだと思いますが、そのために最も気をつけなければいけないのは、「心の老化現象」ではないでしょうか?

「老害」という言葉があります。年配者の存在が周囲に悪影響を及ぼしている状態ですが、すでに現役をリタイアしている会長が、現役の社長や現場の職員に圧力をかける状況を思い浮かべてください。本人は悪気なく、「指導してあげよう」という良い心から接していることが多いようです。しかし、そこに現場に対する不平や不満の心が髪の毛一本でも入っていないかを自問する必要があると思います。(もちろん、受ける側としては、どんな気持ちで発せられた言葉も重く受け止める必要はありますが…。)自分中心的な思いから出た言葉は必ず反発を食らいます。本当に相手の事を思いやった、真の慈悲心から出た指導のみに相手を変える力があると思います。

100年前に生きた法学博士廣池千九郎が残した、『自己の好悪を持って他に強いず』という格言があります。老人は、経験もあり知識もあります。このため若者がやっていることを歯がゆく思えてしまい、何かひと言言ってあげたくなるものです。しかし、一歩間違えると、後進にストレスを与え、現場を萎縮させる原因にもなりかねません。現場の若者は頼りなく見えますが、それぞれ必死になって責務を果たし、昨日の自分より少しでも進化しようと頑張っています。そうした芽を摘まないように、慈悲の心で接することができれば、「老害」から「老益」に変わっていくことができると思います。老人の仲間入りをしつつある我が身にも、良く言い聞かせてまいりたいと思っております。(令和8年6月)

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME